イチゴ栽培情報~暖候期の管理について~
平素は茨城生科研に対し、多大なるご支援とご愛顧を賜りまして
誠に有難く厚く厚く御礼申し上げます。
すっかり春めいてきた今日この頃です。
桜の花も今か今かと、咲くのを心待ちにしている方も、沢山いるのではないでしょうか?
そんなほんわりとした気持ちとは裏腹に、
年度末です。
当社は本決算・・・・
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
って感じです。



とは言っても、その日はやってくるわけで
めげていても仕方なので、
常にポジティブに前向きに進んでやる~と、決めています。
さて、ちょっと横道?にそれてしまいましたが、
本題に戻ります。
今回は定番のイチゴの栽培情報です。
題して「暖候期の管理 果実の品質向上対策」です。
今年は、非常にハダニやうどんこ病の発生が多く、奇形果も沢山出ています。
3月以降は、気温の上昇や日長が長くなることで、株が過繁茂になり、軟質果の発生やわき芽からの小玉果が多くなり、収穫の遅れによる果実の傷みや、防除不足や薬液のかかりムラによる、病害虫の蔓延が起きてしまいます。
暖候期にもしっかりとした品質の果実を収穫するためにも、下記の対策を参考に春に向けて対策を行ってください。
1)果実の品質向上と肥大促進のための葉面散布
日照時間が長くなってきて、気温も上がり株が徒長して来ました。株の徒長は、奇形果・軟質果・チップバーンの原因になります。
葉面散布で養分バランスを整えて果実の品質低下を軽減しましょう。
ホップアップ 300倍 + カルタス 500倍
混用で5~7日おきに定期的に散布してください。
2)根をしっかりと張らせ、なり疲れを防止する液肥管理(10aあたり)
3月に入り、日が長くなってくると、ハウス内の気温が高くなり水分の吸収が増加してきます。
この時に、吸収する肥料のバランスが窒素に偏ったり、養分が不足してくると、果実が細くなったり、軟質果が出てしまいます。不足している養分を積極的に追肥して、なり疲れの軽減や果実の肥大の促進を図ってください。
ポイント1 果実の肥大促進、首抜け果の軽減
トーシンPK 3~5kg 7日おきにかん水してください。
※エルエス2kgを混用すると、特に果実肥大に効果があります。
ポイント2 チップバーン軽減と軟質果対策
トーシンCa2号 5kg 1ヶ月に2~3回に分けてかん水してください。
※他の液肥との混用は出来ません。
ポイント3 果実の食味向上と日持ちの向上
アミノキッポ3号 5kg を20日に1回かん水してください。
3)葉かきについて
ダニやうどんこ病の発生が、今後もかなりの発生が予想されますので、頂花房の収穫が終わった時点で、収穫の終わったかんざしと、それより外側の葉を整理してください。
また、同時に小さいわき芽も取って下さい。
8から10枚の葉があれば充分ですから、しっかりと葉かきを行ってください。
4)果実の傷みの軽減のためのかん水管理
ポイント 毎日かん水を行いましょう!
とちおとめは、かん水が不足すると果皮が弱くなり、痛み果が出てしまいます。暖かくなってからは、冬場よりも蒸散量が多くなります。水不足にならないように、しっかりとかん水してください。
いばらきキッスや紅ほっぺなどの品種は、暖候期の多かん水は、果実の軟質果を助長する事がありますので注意してください。
5)毎日の換気
日中は、ハウス内気温が20℃以上に保ちましょう。日中の気温が低く、夜温が高いと軟質果や首ぬけ果が出てしまいます。夜温の上げ過ぎに注意しましょう。
温度管理の目安
午前中~20~25℃で管理する
ガク焼けは、葉水の乾く前に急激に温度を上げすぎると発生します。また、30℃以上では光合成が停滞します。
午後~25℃前後で管理
午後は、午前中よりも温度が必要ですが、夜温が高くならないように注意してください。
夜間~8℃前後で管理
夜間の気温の上げすぎは、果実の品質低下の原因になります。
最低気温5℃で内張り全開
最低気温7℃で外張り全開
です。
5月まで収穫される方が、大半だと思います。
残り3ヶ月弱、しっかりとしたイチゴ栽培を行うためにも参考にして、消費者に喜ばれるイチゴを作ってくださいね。